思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫 え 8-1)

思いわずらうことなく愉しく生きよ (光文社文庫 え 8-1)

このひとはやっぱ文章が巧い。ワンセンテンスずつ無駄な描写がなくてテンポよく読めるからすごい引き込まれてしまう。恋愛小説なんて恥ずかしいし人前で読んでることとか言いたくないし、角田光代とか一冊読んでその後読む気がしない(このひとはエッセイはなかなかだけれど)。けど、まあ恥ずかしいのは変わらないんだけど、江國香織のは読み心地が良くて、つい手に取ってしまう。それでブックカバーが必要になっていつも新しいのを買ってしまう。さすが江國滋の娘だよね。血、ってうらやましいことです。

内容は、いままでのとちょっとちがうな、というイメージ。登場人物はみんな江國香織の小説の中ではありがちなひとが多いけど、展開が、ちょっとずつの変化を描くだけっていうより、しっかり外に向かって開けていく感じ。育子や落下する夕方の華子みたいな娼婦みたいなこころの女の人ってすてきだな。椿姫のマルグリッドも素敵だった。よくわかんないけど娼婦に憧れる。

まあいいや。今日はもう書けない。