I’m劣勢



俺はなんだ俺はなんだ俺はなんだ。きのしたさちかか。監督か。ベーシストか。全部俺か。全部違うのか。なぁ、どうなんだ。そんなことばかり堂々回りで体の中頭の中回ってく。逃れるために眠りにつけば二三時間置きに目が覚めて、悪夢をいつでも思い出す。見える文字が全て鏡文字、小さな女の子に鋭利な刃物で刺される。むしろ素敵な夢だろうか。


お盆はちょっと休みかと思ったら、休みなんてありゃしない。みんなはそこそこに、用事あるから、って休むけどあたしなんかべつにそんなお墓参りとか祖父母の見舞いとか入ってないし、監督なんだから、って。ああ、そうだよ。演出だって二人とも休む日だって来れる人集めて台詞合わせ、演技指導。鳥肌が立つ。暑い暑いって思ってるのに鳥肌。こすっても消えない。胃の中に何か、溜まってく。駄目だ。もう駄目なんだろ? ああ。